脂質・脂肪酸の基礎知識

脂質は食用油やバター、ラードなどに加えて、肉類、魚介類、乳類など食品に含まれる油もまとめて脂質といいます。

 

その脂質の主な構成成分が脂肪酸でおよそ40種類あり、これらがどのような割合で含まれるかでその油の特性が変わってきます。

 

脂質はあまりとらない方がよいというイメージが強いですが、実際は体の基礎を作ったり、エネルギー源、脂溶性ビタミンの吸収を助けるなどの重要な働きがあり、とりすぎると肥満や動脈硬化の原因となってしまいます。

 

脂肪酸はその構造の違いによって大きく2つに分けられます。

構造の中に二重結合を含まない脂肪酸飽和脂肪酸、二重結合を含む脂肪酸不飽和脂肪酸と分けられます。

 

一般的に二重結合を持つ不飽和脂肪酸にはコレステロールを減らす作用がありますが、二重結合が多くなるほど酸化しやすいという欠点が存在します。

酸化すると過酸化脂質になり、細胞内のDNAを傷つけてしまいます。

 

また不飽和脂肪酸は二重結合の位置によって、n-9系、n-6系、n-3系などの脂肪酸に分けられます。

 

それぞれの代表なものをあげると、n-9系はオレイン酸、n-6系はリノール酸、n-3系はα-リノレン酸があります。

 

オレイン酸は二重結合が1つの一価不飽和脂肪酸です。体内で合成でき、オリーブ油に多く含まれ、悪玉コレステロールを減らす作用を持ちます。また二重結合が1つだけのため、酸化しにくいという優れた性質を持ちます。

 

リノール酸は二重結合が2つ以上ある多価不飽和脂肪酸です。体内では合成できません。肉類や植物油に多く含まれ、血液中のコレステロールを減少させる作用を持ちますが、とりすぎると善玉コレステロールを減少させてしまいます。また酸化されやすいため、過酸化脂質を作りやすいです。

 

α-リノレン酸は二重結合が3つある多価不飽和脂肪酸です。体内では合成できません。魚や植物油に多く含まれ、血液中の悪玉コレステロール中性脂肪を減らし、善玉コレステロールを増やすが、非常に酸化しやすいです。

 

飽和脂肪酸

飽和脂肪酸は常温では固まっており、肉や乳製品などの動物性の食品に多く含まれます。

飽和脂肪酸中性脂肪やLDLコレステロールを増やし、動脈硬化を招きやすくなります。

飽和脂肪酸は不足するということはほとんどなく、とりすぎてしまうことが多いため、できるだけ抑えるよう意識しましょう。